JCOG9809 (phaseIII)

進行期aggressive lymphomaに対するstandard CHOPとdose-intensified CHOPとの無作為化比較試験

研究グループ リンパ腫グループ
研究代表者 堀田知光 東海大学医学部第4内科
研究事務局 島倉 康仁 東海大学医学部第4内科
増本 暁 熱函病院
登録開始日 1999年2月1日
登録終了日 2002年12月20日

研究目的
悪性リンパ腫の標準的治療法とされるCHOP療法において用量強度(dose-intensity)を増強させることが有用であるかどうかを検討するため、進行期中高悪性度非ホジキンリンパ腫に対して標準的(standard, original)CHOP療法とbi-weekly CHOP療法との無作為化比較試験(RCT)を実施する。
背景
欧米での大規模な無作為化比較試験により進行期aggressive lymphoma(中高悪性度非ホジキンリンパ腫)の代表的な標準的治療法はCHOP療法であると結論づけられた。しかしこの治療法における5年無増悪生存率は50%前後と考えられており、さらなる工夫が必要である。顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を併用し白血球減少期を短縮することにより、通常3週間隔で行われていたCHOP療法を2週間隔で行う方法をBiweekly CHOP療法という。

この方法で用量強度 dose intensity(DI)(mg/sqm/week)は1.5倍に増強することができるため、治療効果の上昇が期待される。Biweekly CHOP療法の有効性を明確にするため、CHOP療法を対象として無作為化比較試験を行うこととした。また、がん抑制遺伝子であるp53遺伝子の変異の有無が悪性リンパ腫においても予後因子のひとつとなる可能性が示されている。このような予後因子の解析は、DIを増強させた治療法におけるその適応を検討するうえでも重要であるため、p53遺伝子変異の有無が予後因子となりうるか否か、多施設での前方向的な検討を行うこととした。

対象   1) 生検による組織診で非ホジキンリンパ腫と診断
2) Working Formulationでintermediateまたはhigh grade
(菌状息肉症とセザリー症候群からなる皮膚Tリンパ腫(CTL)、成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)
およびリンパ芽球性リンパ腫(LbL)は除外)
3) Ann Arbor病期分類のstage II、III、IV
4) 年齢15歳以上、70歳未満
5) PS:0〜2
6) 化学療法、放射線治療未治療例
7) 主要臓器能が保たれている
8) インフォームド・コンセントが得られている

エンドポイント
  Primary endpoint 無増悪生存期間(Progression-free survival)
  Secondary endpoint 完全寛解率、再発率、完全寛解期間、生存期間、短期・長期毒性

割付群
A群:standard CHOP  B群:bi-weekly CHOP
調整因子
International indexによるrisk group(low + low intermediate/high intermediate + high)、
施設、p53遺伝子変異解析用のDNA検査検体提供の可否
予定登録数、登録期間、追跡期間
予定登録数:450例(実登録数323例)、登録期間:4年、追跡期間:7年

シェーマ


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